引っ越し準備の中でも時間がかかるのが「荷造り」。
見た目はシンプルでも、段ボールの詰め方ひとつで、引っ越し当日の作業スピードや荷物の安全性が大きく変わります。
「どうやって詰めれば割れないの?」「衣類や家電はどんな箱に入れるの?」
そんな疑問を解消するために、この記事では段ボールを使った上手な梱包テクニックを、カテゴリ別にわかりやすく紹介します。
📦 段ボールを使い分けるのが荷造り上手の第一歩
まず大切なのは、段ボールのサイズと用途を使い分けること。
引っ越し業者も、荷物の中身に応じて段ボールの種類を変えています。
| 段ボールの種類 | サイズの目安 | 向いているもの |
|---|---|---|
| 小サイズ(20〜30cm) | 本・食器・調味料など重い物 | 持ち上げやすく破れにくい |
| 中サイズ(40cm前後) | 衣類・日用品・雑貨 | 一番使いやすい万能タイプ |
| 大サイズ(50cm以上) | クッション・ぬいぐるみ・布団 | 軽い物を中心に詰める |
| ハンガーボックス | スーツ・コートなど | シワを防げる吊り下げ式段ボール |
💡POINT
重い物を大きい箱に詰めると、底が抜けたり腰を痛める原因に。
「重い物は小さく、軽い物は大きく」が基本ルールです。
🧱 段ボールの組み立て方と底の補強テクニック
どんなに中身を丁寧に詰めても、底が抜けてしまっては台無し。
特に重い荷物を入れるときは、底の補強が重要です。
✅ 強度を上げる底の貼り方
- 段ボールの底を「H字型」にガムテープで貼る
- さらに中央の継ぎ目にもう1本重ね貼り
- 角の4隅にもテープを貼って補強
これだけで、通常の2〜3倍の耐荷重になります。
安価な紙テープではなく、布製またはクラフトタイプのガムテープを使うのが理想です。
💡補足
荷物を詰めたあとも、フタを軽く押して「たわまない」か確認しておくと安心。

🍽 割れ物の梱包|新聞紙よりも“空気”で守る
食器やガラス製品などの割れ物は、引っ越し中の破損率が最も高いアイテム。
一つひとつ丁寧に保護して、箱の中で動かないように固定することが大切です。
割れ物梱包の手順
- 1枚ずつ包む
新聞紙や緩衝材(プチプチ)で一つずつ包みます。
同じ素材のものをまとめておくと後で整理しやすいです。 - 段ボールの底にクッション材を敷く
古いタオルやエアキャップを底に敷いて衝撃を吸収。 - すき間を埋める
丸めた新聞紙や衣類で固定して動きを防止。 - 上にも緩衝材をかぶせる
箱の中で「浮かせるように守る」イメージで詰めます。
注意ポイント
- グラスは立てた状態で入れる(横にすると割れやすい)
- 食器類は重いものを下、軽いものを上
- 箱の外に「ワレモノ注意/上積み厳禁」と明記する
💡ワンポイント
紙だけでは不安な場合、100円ショップの「プチプチロール」や「食器用緩衝シート」を活用するのがおすすめです。
👕 衣類の梱包|シワを防ぎ、時短で片付けるコツ
衣類の梱包は“量”との戦い。
コツを押さえると、引っ越し後の片付け時間がぐっと短縮できます。
衣類別の梱包方法
- 普段着・下着類 → 中サイズの段ボールにたたんで収納
- スーツ・コート類 → ハンガーボックスを利用(そのまま吊るすだけ)
- 季節外の衣類 → 圧縮袋を活用(スペース1/3に削減)
収納の工夫
- 段ボールの中に「衣類の種類別タグ」を貼っておく
- 香り付きのシートを入れると、開封時も清潔感◎
💡アドバイス
衣類は「柔らかくて軽い」ため、すき間埋めにも最適。
割れ物や家電の緩衝材代わりに使うのも賢いやり方です。
🔌 家電の梱包|故障を防ぐためのポイント
家電は高価で壊れやすいので、運搬時の衝撃対策が重要です。
1. 冷蔵庫
- 引っ越し前日に電源を切り、水抜きを行う
- 内部の霜や水を完全に乾燥させる
- ドアはガムテープやひもで固定
- コンセントは本体に貼りつけておく
2. 洗濯機
- 給水ホースを外し、水を完全に抜く
- ドラム式は輸送固定ボルトを装着(取扱説明書参照)
- 脱水槽の内部は乾かしてカビ防止
3. テレビ・パソコン・電子レンジなど
- 画面は厚手のタオルで保護
- ケーブル・リモコンをまとめて袋に入れ、テープで本体に貼る
- 段ボールがない場合、毛布で包んで代用可
💡補足
小型家電(炊飯器・ドライヤーなど)は、元箱があるなら再利用すると安全。
なければ新聞紙+衣類でクッション代用が効果的です。
🗂 仕分けラベリングで“開ける順番”がわかる!
引っ越し後の片付けで「どの箱に何を入れたかわからない!」というのはよくある失敗。
段ボールの外側にラベルを貼る・番号をつけることで、開封作業が格段にスムーズになります。
効果的なラベルの付け方
- 箱の「上面と側面」の両方にラベルを貼る
- 例:「キッチン①/食器」「リビング②/書籍」など
- 生活必需品は「★マーク」や「赤テープ」で目印
💡POINT
新居での配置図をあらかじめ書き出しておくと、搬入スタッフにも伝えやすく、部屋ごとに仕分けしやすくなります。
🧽 梱包のNG例と注意点
どんなに丁寧に詰めても、次のような“ありがちなミス”があると破損の原因になります。
| NG例 | 原因 | 改善ポイント |
|---|---|---|
| 重い物を上に詰める | 下の物がつぶれる | 重い物は下・軽い物は上 |
| テープを1本だけ貼る | 底抜けの危険 | H字+補強貼り |
| 詰めすぎて箱が膨らむ | 箱の強度を超過 | 8分目を目安に詰める |
| 濡れたまま詰める | カビ・臭いの原因 | 必ず乾かしてから梱包 |
| 割れ物に新聞紙を直巻き | インク汚れ | 白紙や緩衝材を使用 |
💡チェックリスト
- 段ボール1箱あたり10〜15kg以内
- 箱の中で「ガタガタ」しないか確認
- フタはしっかり閉じてテープ止め
🧰 梱包を効率化する便利グッズ3選
- ハンディラベラー
荷物分類に役立つ。文字より見やすく、統一感も◎。 - 持ち手付き段ボール
重い荷物でも運びやすく、腰への負担を軽減。 - 再利用可能な梱包テープカッター
テープを素早くカットでき、作業スピードアップ。
+αとして、引っ越し専用の圧縮袋を使えば布団類もすっきり収まります。
🪄 まとめ|「軽く・固定・見える化」が梱包の三原則
段ボールを上手に使いこなすコツは、次の3つに集約されます。
- 軽い物・重い物を分ける(持ち上げやすさと安全性)
- 中身を固定する(動かさない工夫で破損防止)
- 中身を見える化する(ラベル・分類で片付け効率UP)
この3原則を意識するだけで、引っ越しの荷造りは格段にラクになります。
引っ越し当日は、安全・効率・時短が大切。
段ボールを味方につけて、気持ちよく新生活をスタートしましょう!
📘 次の記事は「⑦ 家具・家電の配置とインテリアのコツ|狭い部屋でもスッキリ見せる」。
荷解き後のインテリア配置や、限られた空間を広く見せる工夫を紹介します!
